アイラブ福祉研究所 土屋です。
4月に事業所が開設され、あっという間に半年が経ちました。半年間でアイラブ福祉研究所の趣旨を御理解頂き、メンバーさんの将来を応援して下さる企業様も増えました。
思い返せば、4月には「株式会社ケイテック」様に飛び込みでお仕事の営業に伺いました。夕方の遅い時間でありましたが、代表取締役社長の馬路久史様が1時間ほど親切に話を聞いてくださいました。釣りで使用する疑似餌のワームを生産している企業様です。後日には、馬路社長様直々に事業所にまで足を運んで頂き、メンバーさんやスタッフと一緒にワームの袋詰め作業を行い、就労継続支援という事業に対して熱心に関わって下さったこと、この場を借りて感謝申し上げます。
最初は200パックという数からスタートし、徐々に信頼をいただき、お盆には3000パックを任せていただくまでになりました。主に海外向けの製品(ロシアなど)を担わせて頂いておるのですが、小さな事業所で輸出品に関わるという貴重な体験もさせて頂いております。
納品の際には、メンバーさんと伺うこともありますが、スタッフの皆さんが大変親切に対応をして下さいます。決して「腫れ物に触る」という事ではなく、一生懸命「お仕事」をしているメンバーさんに対しての、「ねぎらい」や「感謝」を伝えてくれます。その際のメンバーさんの、はにかんだ笑顔や嬉しそうな表情に、「お仕事」の大切さを肌で感じる機会になっていると感謝しています。日々の積み重ねでトータル26166パックを納めさせて戴きました。
6月にはアウトドアレンタルの「そらのした」の室野孝義社長様とお会いしました。これは、私どもが事業を行うために融資を受けている、「都留信用組合」様の地域支援部に繋いで頂いたお仕事でもありました。
「そらのした」様では、富士登山や屋久島トレッキングなどで使用するアウトドアグッズをレンタルする事業を行なっております。登山靴もレンタルしているのですが、その洗浄作業を担わせていただきました。7月から今日まで、暑い日も雨の日も、ほぼ毎日お仕事を戴きました。3ヶ月で1442足の登山靴を洗いあげました。
このお仕事は、私自身にも色々な事を気づかせてくれました。「福祉・障害」という業界では着目しないお仕事で、「それはメンバーの仕事としてどうなんだろう❓大変じゃないか❓」影で色々とご批判も戴きました。私にしてみたら、「上等上等、何とでも言えばいい」と開き直っている時期もありました。
しかし、せっかく色々な縁で繋がったお仕事。そしてそれが「趣味や健康を支える仕事」であり、何よりも「生活が困窮しているとか、障害があっても(あえて障害と記載します)、仕事をする事で経済的にも自立したい」とか、沢山の目的を持って利用をしているメンバーさんに対して、将来を応援する意味で発注してくれている企業様の主旨をもっとPRしていく事が、今のアイラブ福祉研究所としてできる事であると頭を切り替えました。そうする事で批判もなんのその、新たな気持ちでアイラブ福祉研究所としての揺るぎない方向性も確認する事ができました。
繰り返しますが「楽な仕事はありません!」スタッフが苦労を惜しまず、仕事に関われないのであれば、アイラブ福祉研究所では働けません。むしろそんな気持ちでいてもらっても困るのです。どんな仕事をしたかではなく、どんな気持ちで仕事をしたかがとても重要。それでも、汗を流し汚れる事でしか培われない大切なお仕事の事を、是非ブログを読んで頂いた方々にも考えていただけたらと思います。
8月には、アパレル関係のプリントを事業として行なっている「ベアーズファクトリー」の中村社長様より、Tシャツのプリントのお仕事をいただけることとなりました。作業の中には、たたんで袋詰めをするといった作業もあり、とても貴重なお仕事なっています。企業様と繋がるということは、納期や品質などで追われることもあります。それがメンバーさんの負荷に繋がるのではとご意見もありますが、仕事の全部をメンバーさんが担うわけではなく、一部を担う事で、メンバーさんの負担軽減は可能です。現実としてそうしたスタイルでサービスを提供しています。メンバーさんの仕事を軽減するということは、当然スタッフの仕事は大変になります。でもそれが醍醐味なんだと私は感じています。
9月に入り、友人がTシャツのプリント依頼で事業所を訪ねてくれました。その際に、入り口に並んでいる登山靴に気づき、「何これ❓」と聞いてきたのです。理由を説明すると、「株式会社フォネット」様のグループ企業である、登山用品のレンタルショップ「ラモント」様と話を繋いでくれました。
企業様の動きは早く、すぐに担当の芦澤次長様が事業所を訪ねて下さいました。そこでも、事業内容や福祉業界の話、生活困窮者の話など、率直な事情をお話しさせて戴きました。生意気ではありますが、いやしい気持ちで福祉事業所に仕事を発注するのではなく、更に一方だけが得をしたり楽をしたりではなく、企業様・メンバーさん・アイラブ福祉研究所の「三方良し」となるようなマッチングでありたいとの想いもお伝えさせて戴きました。芦澤様からは後押しをして下さる前向きなお言葉を戴きました。そこからはトントン拍子で、本日お仕事の
打ち合わせをさせていただきました。お仕事の内容は、レンタル品を貸し出す際に使用するバックの洗濯、ゲイターの洗濯及び点検、トレッキングポールの清掃及び点検、ライトの電池残留確認、もちろん登山靴の洗浄も。その際に、生活困窮者に対する支援として、衣類のご寄付についてもご提案いただき、早速ご提供いただきました。芦澤様ありがとうございます。
今後もアイラブ福祉研究所では様々な企業様との事業マッチングにより、メンバーさんのお仕事を組み立てて参ります。新たな事への挑戦は、メンバーさんはもちろん、スタッフも苦慮しますが、そんな事を分かち合えるアイラブ福祉研究所でありたいと切に感じています。